
1.会社の概要の決定
発起人・役員・商号・事業目的・決算期・資本金額などを決定します。
2.類似商号、事業目的の調査
会社の本店所在地を管轄する法務局で行います。
3.定款の作成・認証
定款を作成し、公証役場で定款の認証を受けます。
4.資本金の払い込み
定款において決めた資本金を払い込みます。
5.登記申請
資本金を払い込んだ日から、2週間以内に法務局で登記申請をします。
6.開業届等
税務・労務等の諸届出が必要です。

まず、設立する会社の商号を決めます。
「株式会社」の文字を冒頭または末尾に入れることが必要です。
利用できる文字は漢字・ひらがな・カタカナ・ローマ字・アラビヤ数字・アンパサンド・アポストロフィー・コンマ・ハイフン・ピリオド及び中点(・)です。
旧法では、同じ事業内容で同一市区町村において同一または類似の商号をすでに登記しているときはその商号は使えないという、類似商号の制限がなされていましたが、新会社法では、この類似商号の制限の規定は撤廃されました。
しかし、悪意がなかったとしても、近隣に既に同一・類似の商号の同一の事業を営んでいる企業がある場合には、商標法や不正競争防止法等を根拠にした損害賠償や商号の使用差止め請求をされる可能性は残っています。
したがって、一応、念のため、管轄の法務局に行って類似商号の調査をしておくのが望ましいでしょう。

会社の目的とは、事業内容のことをいいます。
会社は、この目的の範囲内でしか活動できません。
そこで、「前号に附帯する一切の事業」(目的が2つ以上の場合は「前各号に附帯する一切の事業」)といったようにすることが多いです。この目的の数は問われません。
会社の目的は漢字・ひらがな・カタカナで定める必要があり、アルファベットは用いることができません。

出資者(株主)を決定します。
株主は1人でも構いません。
株主が決定したら、以後の手続きで必要となりますので、一人につき一通の印鑑証明書を市区町村役場で請求しておくとよいでしょう。
ここで、各株主の出資金額も決めます。この出資金額の総額が会社の資本金になります。
なお、新会社法では、資本金の制限は撤廃されたので、0円でもかまいません。

役員とは、取締役・代表取締役・監査役等です。
取締役は1人以上何人でもおくことができ、取締役は必ずしも株主である必要はありません。
取締役に選任された人は、印鑑証明書を1通、市区町村役場に請求しておくとよいでしょう。
旧法では、取締役会を設置する義務がありましたが、中小企業においては取締役会が機能していなかったので、新会社法では取締役会を設置する義務はなくなりました。
したがって、業務執行の必要に応じて、取締役の過半数の決議で会社の運営をすることになります。
取締役会は会社設立後いつでも、株主総会の特別決議で設置できるので、会社設立当初は取締役会を設置せずに、会社の規模が大きくなった場合に検討するというのでもよいでしょう。
取締役が2人以上いる場合、取締役の中から取締役の決議で代表取締役を選びます。取締役が1人の場合は、その取締役が代表取締役となります。
監査役は新会社法では必ず設置しなくてもよいことになりました。
監査役を選任する場合は、監査役は取締役や従業員の中から選任することはできません。監査役を設置した場合、監査役は原則として会計と業務の両方が適正かどうかを監査しなければなりません。
新会社法においては、取締役と監査役の任期を10年とすることができるようになりました。任期が満了したときは、引き続き取締役や監査役を継続する場合も必ず役員変更の登記をする必要があります。
また、特例有限会社を除くすべての株式会社においては、会計参与を設置することが認められます。
取締役会を設置しながら監査役を設置しない株式会社(公開会社ではなく、かつ大会社でないものにのみこの形態が認められる)については、会計参与の設置が義務付けられています。
会計参与は、公認会計士若しくは監査法人又は税理士若しくは税理士法人である必要があります。

会社設立にあたって、営業年度を自由に設定できます。
各種届出の時期など、経営に都合のよい時期を設定するのがよいでしょう。
営業年度終了後の一定期間内に株主総会を開催して決算を承認しなければなりません。これを定時株主総会といいます。

株主総会で決算が承認された場合、貸借対照表を公告する必要があります。
現在では、官報でなく、ホームページでの掲載も認められています。
ホームページに掲載する場合は公告するページのURLを、登記しなければなりませんので、あらかじめそのページのURLを決めておく必要があります。
なお、改ざんを防ぐために貸借対照表はpdfファイルに変換して公開しなければなりません。

定款とは、会社の組織や運営に関する基本的なルールを定めたものです。
定款は発起人全員で作成し、全員が署名押印する必要があります。作成した定款は公証人役場で認証を受けることで初めて法的な効力を持つことになります。
なお、定款は1度認証を受けると原則として訂正ができないので、定款の作成は慎重に行いましょう。
株式会社設立にあたっては必ず定款を作成しなければならず、記載すべき事項等が以下のように決まっています。
絶対的記載事項
定款に必ず記載しなければならない事項で、記載がないと定款全体が無効になるもの
■商号
■目的
■本店の所在地
■設立に際して出資される財産の価格またはその最低額
■発起人の氏名または名称および住所
相対的記載事項
定款に記載しなくとも定款そのものの効力には影響はないが、会社にとって効力を持たせるためには、必ず定款に記載しなければならない事項。
■現物出資などの変態設立事項
■株式の譲渡制限に関する事項 など
任意的記載事項
必ずしも記載する必要はないが、記載しておいた方がよい事項などを記載します。公序良俗または会社の本質に反しない限り、いかなる事項でも記載できます。
■事業年度
■役員報酬の決め方 など
定款は全く同じものを3通作成し、公証役場で公証人の認証を受けます。
(なお、電子定款の場合には、手続き方法は異なります。)
定款の認証は、設立しようとする会社の本店の所在地を管轄する法務局または地方法務局の所属公証人にしてもらいます。
定款の認証手続きには、次のものを公証役場にもって行きます。
■定款 3通
■個人の印鑑証明書
■個人の実印
■認証手数料として現金5万円
■謄本交付手数料として250円(1ぺーじあたり)
■4万円の収入印紙
(電子定款によって認証手続きをする場合には、専用のソフトが必要となります。)
定款の認証が終わると3通のうち1通は公証役場に保存され、会社保存用原本として1通、登記用謄本として1通がそれぞれ戻ってきます。

定款の認証後、発起人の代表者は出資金の払い込みを行います。
旧法では、必ず、金融機関に株式払込金保管証明書を必ず発行してもらう必要がありましたが、新会社法では、発起人のみで会社設立を行う発起設立については、株式払込金保管証明書が不要になりました。
なお、発起人以外の第三者からの出資を募集する募集設立の場合は、株式申込人の保護の為、株式払込金保管証明書を発行してもらう必要があります。
必要となる書類は、
■株式払込事務取扱委託書
■定款(写し)
■発起人総代の印鑑証明書
■発起人会議事録(写し)
金融機関により、「株式払込金保管証明書」発行までの手続きが異なることがありますので、あらかじめ確認をするのがよいでしょう。

登記申請書類を、会社設立を予定している市区町村を管轄する法務局(登記所)で、申請を行います。(この申請日が会社の成立日となります。)
なお、登記申請は設立時取締役の調査報告書作成日から、2週間以内にしてください。
申請から登記完了まで、数日間かかります。受付窓口には補正日と書かれた日付が掲示されていますので、その日に再び登記所に行き、完了したか確認することになります。(補正を求められたときのため、会社代表者印を持っていくようにしましょう。)
ここで、登記簿謄本(現在事項全部証明書)、印鑑証明書、印鑑カードを入手することができる。
登記申請にあたって、必要な書類は
■株式会社設立登記申請書(定款 、株式の引受を証する書面、払込を証する書面 、取締役及び監査役の選任を証する書面 、取締役・監査役の調査報告書 、取締役会議事録、取締役・監査役の就任承諾書、代表取締役の就任承諾を証する書面、代表取締役の印鑑証明書 各1通)
■収入印紙15万円(資本金1,000万円まで)
■OCR用紙
■印鑑届出書

1.法人設立届出書
会社設立したことを税務署に届け出るものです。
税務署所定の用紙に必要事項を記入して提出します。提出期限は会社設立から2ヶ月以内です。法人設立届出書には、会社の謄本、定款のコピー、株主名簿または社員名簿、設立時の貸借対照表、本店所在地の略図などの書類を添付する必要があります。
2.給与支払事務所等の開設届出書
給与を支払うべき従業員を雇っている会社にのみ必要です。提出期限は設立の日から1か月以内です。
3.源泉所得税の納期の特例の承認に関する申請書
従業員が10名未満の会社である場合には半年に一度、源泉所得税をまとめて納付できます。
従業員が10名未満の会社であればこの手続きをしておいた方がいいでしょう。添付書類は必要ありません。
4.青色申告の承認申請書
提出期限は会社設立の日以後3か月経過日と最初の事業年度終了日のうちいずれか早い日の前日までです。通常の場合は添付書類の必要はありません。
5.棚卸資産の評価方法の届出書
決算期ごとの商品の在庫をどのように評価するかを税務署に届け出る書類です。提出期限は最初の事業年度の確定申告書の提出期限までです。添付書類は不要です。
6.減価償却資産の償却方法の届出
提出期限は最初の事業年度の確定申告書の提出期限までです。添付書類は不要です。

会社設立した場合、住民税や事業税などの税金に関する届出は、市町村役場及び税事務所にします。
東京都23区内の場合は事業開始日から15日以内に都税事務所で事業開始等申告書を提出することになります。添付書類として定款の写しと会社の登記簿謄本が必要になります。
他の道府県の場合は会社設立の日から1か月以内に、県税事務所及び市町村役場に法人設立等申告書を提出します。添付書類として定款の写しと会社の登記簿謄本が必要になります。

1.健康保険・厚生年金保険新規適用届
2.新規適用事業所現況書
適用事業所となった場合は、原則として事業を開始した日から5日以内に届け出る必要があります。
必要書類は、登記簿謄本・資産台帳の写し・預金口座振替依頼書・給与規定の写しなどです。
3.健康保険・厚生年金保険被保険者資格取得届
被保険者の資格を取得した日から5日以内に届け出る必要があります。
4.健康保険扶養者(異動)届
被保険者に当該扶養者がいる場合に届け出る必要があります。