
法人であるということで取引をする際の対外的信用力があります。
法人の場合、資本金というものがあります。この資本金の額を見ると、会社設立にあたっていくら所持していたかがわかるので、資本金が多いほど、信用度が増すといったこともあります。(会社設立にあたって最低資本金の規制は撤廃されたので、資本金が1円からでも会社設立自体は可能です。)
これに対して、個人事業主の場合は、資本金というものは存在せず、事業にあたってどれくらい元手に持っているかを証明する手段はないので、第三者が信用を判断する資料が法人と比較して少ないので、信用度も下がるということになります。
したがって、お金を借りて事業を拡大したい場合、法人の方が有利であり、会社設立のメリットがあるといえます。

株式会社において、株主はもし会社が倒産しても、出資分のお金がなくなるだけで、会社の債権者から責任を追求されることはありません。これを有限責任といいます。
株式会社にはこの株主有限責任の原則があるため、株主は倒産のリスクにとらわれずに出資することができます。
これに対して、個人事業の場合は、事業主に投資し、利益がでても、投資した人がその分配を得ることは法的に保障されていないので、出資する人が集めにくいといえます。

法人の場合、株主有限責任の原則があるので、事業が失敗してしまい、法人が財産を失うことになって場合でも、原則として個人財産については出資分についてのみ損害を負うことになります。
これに対して、個人事業の場合、有限責任ではないので、事業に失敗しまった場合、個人事業主は、自分自身の預金や土地、その他の財産を処分して、借金の返済に充てなければなりません。

法人の場合、法人税、法人住民税、法人事業税がかかり、役員報酬に対して、所得税、個人住民税がかかります。
■個人事業主の場合は、所得税、個人住民税、個人事業税がかかります。
■個人事業では、当初の税率は15%ですが、最高課税は50%です。
■一方、法人では当初の税率は30%ですが、最高課税は42%です。
また、個人事業では社長への給料の支払いは経費にはなりませんが、法人の場合社長への給料が役員報酬として経費とすることが可能です。
したがって、経費を差し引くことで、課税する元となる利益が法人の方が低くなるので税金が安くなります。このほかの経費についても、個人に比べ、会社のほうが必要経費にできる範囲が広いです。
また、家族への給料の支払いについて、個人事業の場合は、専業者給与となり、その家族が事業に専業していることが必要となりますが、法人事業の場合は、非常勤役員報酬として、実際には仕事に従事していなくても給料を支給できます。
さらに、事業を相続などで承継する場合も、会社設立などして法人となったほうが、手続きが容易です。個人事業の場合、負債があった場合、負債も相続財産として、相続人に承継され、手続きが財産ごとに行われます。
他方、法人事業の場合、個々の財産は相続の対象とはならず、会社固有の財産として法人に帰属し続けるので、相続税は課税されず、財産ごとに手続きをする必要はないため簡単です。

会社が加入すれば、役員も政府管掌の社会保険(厚生年金・健康保険)に加入することができます。社会保険は、民間の保険よりも手厚い給付がなされます。
新会社法により、最低資本金の制限が撤廃されたことによって、個人が株式会社設立する場合の、メリットが増えたといえます。